南海トラフ巨大地震について
◆ 死者 最悪32万人想定
- 東海、東南海、南海地震などが同時に発生するマグニチュード(M)9級の南海トラフ巨大地震について、国の2つの有識者会議が29日、被害や津波の想定を公表しました。
- 死者数は最大で32万3000人で、関東大震災の約3倍、東日本大震災の約20倍に上り、日本の災害史上、記録のない規模に達するそうです。
- しかし、津波については、早期避難や避難ビルの整備など防災対策をすることで、被害は大幅に減らせることもデータで明示されています。
- 素早い避難こそ最大の対策であることを再認識して、逃げる場所の確認や整備、各地域における避難訓練を地道に続けることが大切になってきます。
- 大まかな内容は新聞、テレビ等でご存知だと思いますので、当ホームページでは兵庫県、姫路市、および糸引校区に絞って、情報を整理してみましたので参考にして下さい。(2012年 8月30日 読売新聞朝刊)
◆ 姫路市の被害想定
市町村 | 最大震度 | 最大津波高 | 兵庫県 2倍想定 |
津波1m 到達時間 |
浸水面積 |
姫路市 | 震度6強 | 3m (満潮時) |
3.9m | 119分 | 130㌶ |
(2012年 8月30日 読売新聞朝刊)
◆ 津波高の想定について
津波の想定 ⇒ 合計11ケースを想定
(1) 基本的な検討ケース(大すべり域および超大すべり域が1箇所の場合) : 5ケース
- ケース①:「駿河湾~紀伊半島」に「大すべり域+超大すべり域」を設定
- ケース②:「紀伊半島沖に「大すべり域+超大すべり域」を設定
- ケース③:「紀伊半島~四国沖」に「大すべり域+超大すべり域」を設定 ◎
- ケース④:「四国沖」に「大すべり域+超大すべり域」を設定
- ケース⑤:「四国沖~九州沖」に「大すべり域+超大すべり域」を設定
(2) その他派生的な検討ケース : 6ケース ⇒ ここでは省略しますm(_ _)m
※ 姫路市の津波の被害想定が最悪と考えられる ケース③ に絞って、以下資料をピックアップしましたので参考にして下さい。
シミュレーション動画
- ケース③:「紀伊半島~四国沖」に「大すべり域+超大すべり域」
- 南海トラフ巨大地震モデル検討会が作成した津波のシミュレーション動画です。
- 小さくて判りにくいのですが、津波の第一波は約120分程で姫路に到達しています。
- 津波は第1波が最大であるとは限りません。何度も繰り返し襲ってきて、何番目の津波が最大になるかは分かりません。
- 水位が下がったように見えても、警報や注意報が解除されるまで、安全な場所にとどまりましょう。
津波高および到達時間
浸水域の想定
- 今回公開された下記資料は、非常に不鮮明で判りにくい。
- 先日の防災訓練で自治会から公開された資料(2012年3月以降?)が参考になりますので、ご覧下さい。
- この地図では、現行の地域防災計画で想定している津波高を、暫定的に2倍程度とし、次の3つの区域を表示しています。
<津波浸水想定区域図(暫定)>
- ① 紫色で示した区域 ⇒ 防潮門扉が 全て閉まった状態で浸水が想定される区域 を氾濫計算により示した。
- ② 水色・紫色で示した区域 ⇒ 防潮門扉が 全て閉められなかった場合に浸水が想定される区域 を氾濫計算により示した。
<津波被害警戒区域図(暫定)>
- ③ 青線で示した区域 ⇒ 津波高と同じ標高の等高線
- 東山の川東地区、柿東地区、継の八家川沿岸部、四郷の明田地区、八木地区、白浜の宇佐崎地区、については、八家川の防潮門扉が全て閉まった状態でも浸水被害が想定されています。
- 飾磨地区や網干地区でも浸水被害が想定されています(水色部)が、防潮門扉が閉められなかった場合なので、実質の浸水被害を被るのは、姫路市の中でも 東山、継 地区を含む八家川沿岸部のみということになります。
- 実際にどの程度浸水するのか判らないので何とも言えないですが、最悪 3m超の津波 では1階が水没ということになり、押し流される家屋もあるということを考えておかないといけないです。
◆ 南海トラフの巨大地震による震度分布・津波高について
- 政府の南海トラフの巨大地震モデル検討会が平成24年3月末に発表した 資料 によりますと、前述のように姫路市の地震想定は、最大で 震度6強、地震による 津波到達時間は 120~140分、津波の高さは最大 3.2m (満潮位) となっており、姫路市は、浜国(250号線)以北の高台としている避難先の拡大や避難誘導担当機関の役割分担などを検討しているそうです。
- しかし、当ホームページでも紹介しているように、東山地区は土地が低く、昔から何度となく冠水被害を受けています。 大津波が発生した場合も、当然台風や大雨の時と同等あるいはそれ以上の被害が予測されます。
- 津波到達時間は、四国や淡路島があるため、太平洋に面する高知県や和歌山県に比べると遅いのですが、想定されている 3m を超える津波 が来た場合、どの程度の被害が出るのでしょうか?
◆ 自宅の標高を調べてみましょう!
- 自宅の標高を調べる方法をいくつかご紹介します。
国土交通省 国土地理院 『標高がわかるWeb地図』
- 任意の位置で右クリックするとその位置の標高値が表示されます。
- 下図のように標高値を表示させたい場合は、「+」をクリックして目一杯拡大させると表示されます。
国土交通省 国土地理院 基盤地図情報サイト
- ①と同じ国土地理院の情報サイトです。
- 情報をダウンロードしていろいろと活用できます。
- 糸引校区の標高を色を付けて判りやすくしてみました。
Flood Maps
- 下図は、海面上昇による浸水被害を Google マップ上で見ることが出来る「Flood Maps」というサイトでの糸引校区のシミュレーションです。
- 但し、このシミュレーションは、津波を想定したものではなく、地球温暖化による海面上昇を想定しているものですが、津波被害についても参考になると考えます。
- ※ 下記画像はスライドショーになっています。 カーソルを画像に合わし、右端に現れる 矢印 ⇒ をクリックしていくと画像が切り替わります。
- ※ もっと詳しく見たい方は、こちらから ご自宅を見つけて下さい! 一応海面上昇は 0m ~ 60m までシミュレーション出来ます。 左上の「See lebel rise:」より設定して下さい。
LatLng2Height
- 任意の位置で右クリックするとその位置の標高値が表示されます。
- 下図のように標高値を表示させたい場合は、「+」をクリックして目一杯拡大させると表示されます。
◆ 地震動の想定について
地震動の想定
強い揺れ(強震動)を引き起こす地震波は、震源断層面に一様に発生するのではなく、特定の領域(強震動生成域)において発生することが知られていることから、今回の推計では、過去の地震の特徴を踏まえて、強震動生成域を4ケース設定しています。さらに、これを補完するため、経験的手法(震源からの距離に従い地震の揺れがどの程度減衰するかを示す経験的な式を用いて震度を推計する手法)による震度も併せて推計されています。
▼ 基本ケース
▼
陸側ケース
⇒ 揺れによる被害が最大になると想定されています
◎
▼ 東側ケース
▼ 西側ケース
▼ 経験的手法
▼ (基本ケース)+(陸側ケース)+(東側ケース)+(西側ケース)+(経験的手法)
◆ 避難場所
- 『津波は 30cm で人は流され、1m で死亡し、2~3m で家屋が流される』 という基礎知識を知っておくことが大切です。
- 姫路市の南海トラフ巨大地震による津波の到達は 約120分 ということで、避難までに余裕があります。しかし、油断せず、普段から避難場所や避難経路の確認をお願いします。